くまもと中医クリニック 紹介くまもと中医クリニック お問い合わせ
掲載日:2018/10/01

漢方だより第20号を発行しました

記事の一部を紹介致します。
「秋の健康管理」
 中医学の考え方の一つ「天人合一」は自然界の変化(大宇宙)と同様に人間の体調(小宇宙)も変化するという考え方です。四季の移り変わりがはっきりしている日本においてはとくに重要です。天人合一に基づいて秋の健康管理を考えてみましょう。
1.乾燥対策/潤いを保つ
 秋は空気が乾燥するため人間も「燥邪」の影響を受けやすくなります。乾燥に最も弱い臓器は「肺」です。肺は体の最も高い場所に位置し外邪に侵されやすいとてもデリケートな臓器です。肺が燥邪に侵されると、肺に潤いがなくなる肺陰虚(1)や肺気(気=エネルギー)が不足した肺気虚(2)の状態を引き起こします。このときに効く漢方薬は、
(1)肺陰虚(空咳 痰が切れにくい のどの渇き 痰に血が混じる など)
   →麦門冬湯 滋陰至宝湯 滋陰降火湯
(2)肺気虚(風邪を引きやすい 疲れやすい 声が小さい など)
   →補中益気湯 六君子湯
 肺には呼吸の作用だけでなく、水分代謝を調節し全身を潤す作用、ウイルスなどから体を守る免疫作用などがあります。そのため肺が侵されると呼吸器症状以外にも肌や喉の乾燥、便秘、風邪を引きやすいなどの症状を来します。また肺は鼻や皮膚との関連が強く、鼻炎やアトピーなどのアレルギー疾患の悪化も来します。
2.収斂の時期(冬支度)
 秋は実り多き季節。植物や動物と同じく人間も体内にエネルギーを蓄える収斂の季節です。秋に体力を養うことで免疫力も増強し、次に訪れる寒くて厳しい冬の感染予防にもつながります。
3.気分の落ち込みに注意
 秋は日照時間の短縮や落葉の見られる季節。ちょっとした憂いを感じやすくなります。気分の落ち込みやストレスなどに注意が必要です。
 自然界とのバランスを保ち、心身ともに秋の健康を維持し、寒い冬に備えましょう。

 この他にも「便秘と漢方薬」、「秋の体をいたわりましょう」、「インフルエンザは早めの対応を」、「病は気から(1、杯弓蛇影)」、「突発性難聴〜早期治療で回復を〜」、「不忘草で物忘れ予防」、「”読書の秋“は眼精疲労に要注意」の記事が掲載されていますのでご来院の際はご覧ください。


ページのトップへ戻る