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掲載日:2019/07/01

漢方だより第23号を発行しました

記事の一部を紹介します。
「夏バテに清暑益気湯」
 暑い夏の健康維持に不安を持っている方にお勧めの漢方薬「清暑益気湯」をご紹介致します。
 夏バテ、暑気あたりに対する代表的な漢方薬です。暑さによる倦怠感、食欲不振、息切れ、下痢、夏痩せ、多汗に有効です。熱感、口渇、尿量低下などの軽い熱中症の症状にも効果があります。名前のごとく、おもな効能は清暑(暑邪を冷やす)、益気(気を増す)で、その他、健脾(暑さで弱った胃腸を回復させる)、滋陰(津液を補う)の効能もあります。暑熱による気陰両虚の様々な症状に適応します。清暑益気湯は9種の生薬より組成されています。
  
  @補気(気を補う)→人参、黄耆、甘草
  A清熱(熱を冷ます)→黄柏
  B滋陰(津液を補う)→麦門冬、五味子
  C健脾胃(胃腸機能を高める)→蒼朮、陳皮
  D補血、活血(血を補い循環を改善させる)→当帰

 これら9種の生薬がバランスよく配合されており、夏バテの症状に効果があり、予防にもなります。
 ただし高熱、著しい尿量低下、意識障害などの中等度以上の熱中症の症状がある場合は、別の漢方薬(白虎加人参湯など)や急速補液や全身冷却などの救急処置の適応となるため、速やかな受診をお勧めいたします。夏バテの時は、漢方薬の他に十分な栄養、睡眠、休養などを心がけ、自然治癒力を整えることも重要です。
 冬に重宝する葛根湯、夏の強い味方の清暑益気湯。元来、だるさが増して夏が苦手な方、ご高齢、小児、虚弱体質、屋外の仕事という環境により熱中症になりやすい方は、清暑益気湯を早めに上手に活用して、夏を元気に過ごしましょう。

 このほかにも「夏に重宝する漢方薬人参湯」、「紫外線対策できていますか?」、「乳酸菌錠剤」、「夏の不眠と漢方」、「ツボ注射をご存知ですか?」、「夏の水分補給」、「意外と知らない生姜の効果」の記事が掲載されていますので、ご来院の際はご覧ください。


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